TSUNAGU株式会社

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唯一無二の中古車販売ノウハウを引き継ぐM&A。

唯一無二の中古車販売ノウハウを引き継ぐM&A。

中古車販売業を営む株式会社ノアコーポレーション。ノアコーポレーションは好調な業績で急成長を遂げる中、次なるステージのために株式会社スワローロジスティクスとのM&A契約を結びました。


ノアコーポレーションは全国でも数少ない特装車を中心とした作業用車両を幅広く取り扱う中古車販売会社です。「特装車」とは、トラックやダンプカー、クレーン車などの商用車のこと。主に建設業・運送業・産廃業を営む企業への販売を行っています。

乗用車と異なり特殊な車両であるため買い付けや整備、販売にも専門的な知識を要する業態ですが、ノアコーポレーションは常時高品質な車両を100台以上保有しており、希少な車両も良い状態で手に入ると購入企業からも厚い信頼を寄せられています。

そんな、評価も業績も好調なノアコーポレーションがM&Aでの事業譲渡を決断したのは、若くして事業を成長させた谷口社長の想いがありました。

築いた知見と信頼を引き継ぐために

21歳でこの事業を立ち上げ事業を急成長させた谷口社長は、創業から10年以上ほぼ休みなくオークションサイトを見続け、中古車両と購入業者の業界を見てきたと言います。

「元々車いじりが好きなこともありはじめた仕事ですが、やりだすととことん調べたりアンテナを張るタイプで。オークションサイトを昼夜問わず見続けて車両や相場をチェックすることはもちろん、移動中も『あの車売ってくれないかな?』と見かけた車両の持ち主を訪ねに行ったり。息抜きに行ったサウナですら火を眺めながら車のことを考えてしまうくらいです」

単なる販売商材として車両の価格や状態を比較するだけでなく、その車両が現場で使われる背景や業界の事情、どんな状態の車両が求められているかまで徹底的に調べ上げた上で買取、整備から販売までを行っている谷口社長。

圧倒的な知識と情報量、そして行動力を持って取り組んできたからこその成功…と言葉にしてしまうと当たり前に思えますが、生半可な意思ではとても真似できない地道な努力と継続力によって培われたセンスが、ノアコーポレーションの核となってきました。

その核が他の追随を許さない圧倒的な強みであり、一方でそのノウハウが全て谷口社長自身が積み上げてきたものであるからこそ、次第に事業継続への課題となってきました。

「この10年で普通の人の3倍は働いてきたなと思います。それが強みでもありますが、これから先の10年も同じようにこの仕事を続けられるかというと一度区切りをつけたいという想いがありました」

オークションが集中する金曜と土曜は短い睡眠時間でオークションに張り付き、競り落とした車両は早朝から現地に状態を見に行ったり…とほぼ生活の全てを事業に費やしてきた谷口社長。

ここまで走り続けて来たからこそ、そろそろ自身のセカンドキャリアも考えたいという想いと、これまで築いてきた知見やノアコーポレーションの信頼を引き継いでいきたいという想いも同時に抱いていました。

M&Aという選択

「M&Aという手段には元々抵抗もなく、このまま事業拡大をしようかと考えていた頃は自動車整備工場を譲受するのもありかなと考えていました」と話す谷口社長。セカンドキャリアのためにはむしろ事業を売るのも手ではないかと事業譲渡を検討しはじめ、数社のM&A仲介会社への相談を経てTSUNAGUを通じてのM&Aを決断しました。

譲受先に決まったのは、東京に本社を構え運送業や倉庫業などを幅広く手がける株式会社スワローロジスティクス。

「相談してからマッチングをへて成約までは1年9ヶ月ほどかかりました。当初はきっと売れないだろうな…とも思っていましたし、いざ譲受先が決まるとノアコーポレーションはどんな立場になっていくんだろうと想像がつかない部分もありました」

「不安もありましたが、TSUNAGUとのやり取りを通じてM&Aは両社が事業の発展を目指すために選ぶ一つのスタートなのだから、前向きな決断になるだろうと思いました」

事業引き継ぎのための取り組み

ノアコーポレーションで谷口社長が培ってきた中古車の買い付けや整備、販売の知見を引き継ぐために3〜5年の期間が設けられました。谷口社長自身が長い時間を費やし、感覚を養ってきた判断力の具現化には困難が伴う一方、スワローロジスティクスからの提案で業務のシステム化や分業でまずは業務負担を減らせる部分から改善をはじめました。

スワローロジスティクスのアドバイスを活かし、在庫連携ID、車検番号、車両情報を表示するためのQRコードのついた車両ごとの管理シートを作成。

事務所と現場とで都度やり取りをしながら管理されていた、常時流動する100台以上もの在庫。これらをデータ上の在庫と実在庫を連携させることで業務負担を軽減し、手付かずだった業務を遂行する余裕が生まれました。

少数精鋭の企業故、曖昧だった就業規則も整えていきました。当初はやり取りに戸惑いがあったものの、スワローロジスティクスの社員が相談や作業協力に訪れサポートしてくれたお陰で、これまで滞っていた業務がスムーズに流れていくように。

また、買い付けと販売のどちらも担っていた谷口社長の作業負担は、販売スタッフを採用することで軽減されました。

「劇的な変化というより、少しずつ着実に課題を解決している感じですね。感覚のすり合わせに気遣うこともありますが、同業ではないことがお互いを尊重できている要素の一つかもしれません」

週一で経営会議を行い、業務の一本化や仕組みづくりをすることで事業の基礎をつくる。谷口社長が培ってきた価値を引き継ぐための土台づくりが進行しています。

唯一無二のノウハウを引き継ぐ難しさ

谷口社長は販売スタッフの池田さんに買い付けにも挑戦してもらったことがあるそう。しかし結果は谷口さんが購入できた価格より50万円も高値で落札してしまう結果に。

「この仕事はかなり特殊な側面があると思いますが、知識や技術だけではなくオークション中にとにかく張り付く根気や集中力と記憶力が必要です。車両情報の資料を内容だけでなく画面そのものを絵として記憶することで売り買いの中で金額が変動しても車両を特定する。胆力がいる作業です」

特装車の中古車販売業は最低でも5,000万円の資金が必要になりますが、ニッチな市場であるが故に月利で2,000万円もの利益を稼ぐこともあると言います。

「再現が困難なノウハウだからこそ自分が手離れできないジレンマもありますが、安く仕入れ、買い手が望む状態も熟知した上で整備して販売するからこそ購入業車の役に立っている。時間はかかるかもしれませんがこの事業を引き継いでいきたいと思っています」

二つの会社が一つになるということ

まだまだ課題は多いながらも、元は異なる会社同士だからこそ学ぶこともあり、自社の価値を再確認するきっかけにもなるという谷口社長。

「M&Aの仲介会社は成約したらそれで終わりというところも多いけれど、TSUNAGUにはこうやってその後の変革にも寄り添い並走してもらえるのはありがたいなと思います」

譲受先であるスワローロジスティクスのアドバイスやサポートを受けながら、業務改善とノウハウの引き継ぎを進める中で多くの気づきがあったと言います。

「二つの会社が一つになることは、まさに他人同士が一緒になる結婚のような難しさがあると思う。それも社員という連れ子がいる同士の再婚のような。それぞれ違う環境で育った、文化や価値観も違う家族同士がわかり合うにはすり合わせが必要」

「根気よく会話を重ねながら、これまで培ったノウハウと信頼を引き継いでいけたらと思います」


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